私・・・生きて帰るも、死んで帰るも、本当に紙一重の 差さ。おじいさんの居た部隊なんか、部隊長も戦死し たし、一番上の階級の軍医さんも戦死してしまった。 おじいさんも軍医だったけれど、いつでも明日は死ぬ かなと覚悟していた。
私・・・怖くなかったと言えば嘘になるね。おじいさん
はまだ二十才代だったし、戦争が終って日本へ帰れれ
ば、医者としてやりたいことは山程あったしね。でも
戦争が激しくなって、とても日本へ帰れるような状態
ではなかった。何れは死ぬと思っていたよ。何故って
毎日々々誰かしら死んで行くんだからね。それでも生
きている限り頑張らねばならなかった。何とかここで
頑張ることが、日本の国を守り、日本に居る自分達の
家族を守ることになると信じたからだ。
命のある限り戦い、
死んだら靖国神社に
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