私・・・今年も八月十五日が来るね。八月十五日ってど んな日だか知っているかな。
私・・・そう。昭和何年?
私・・・そうだよ。終戦の年に生まれた人も、もうかれ これ五十歳になるわけだ。戦争を知っている人が段々 少なくなることは淋しいことだよ。
私・・・そうだよ。平和が続くことはいいことさ。だけ ど平和でさえあればそれでいいというもんじゃない。 今の日本の平和には、大事なものが抜けているんだよ。
私・・・今の平和がどうして得られたか分るかな。大東
亜戦争で沢山の若者達が死んで行った。日本という祖
国を守ろう、愛する家族を守ろう・・・・と思って、命を
投げ出して戦った。無論、大勢の中には女々しい振舞
いをした者も居たかも知れないよ。しかし大部分の若
者達は、自分が命がけでやらなければ日本が危いと思っ
て、勇躍戦地へ赴いたのさ。そして明日の日本を信じ
て死んで行った。死んだら靖国神社で会おうねと書き
残して。
今の日本が、そうして死んだ若者達に答えていると
思うかな。
私・・・一寸どころの話ではないよ。どこの国に、国の ために死んだ英霊を大切にしない国があるだろうか。 日本の首相も外国を訪問すると、必ずと言ってよい位、 無名戦士の墓に花輪を捧げてお参りする。外国の大使 が靖国神社にお参りしたいと申し出ると、日本の政府 は辞退するというんだから呆れた話だ。
私・・・そこへ細川首相の侵略戦争発言だ「この戦争は 侵略戦争だった、間違った戦争であったと認識してい る」というのだから、靖国神社に祭られている英霊達 は、侵略戦争の犠牲者だった、単なる犬死にだったと いうことになる。ひどい話だ。
私・・・そうだよ。今の平和が尊い英霊達のお陰である んだということを、片時も忘れてはいけないのさ。
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