自衛隊は違憲か





孫・・・憲法の話が出たけれど、今年も間もなく憲法記 念日ですね。


私・・・憲法記念日ってどういう日か知ってる?



孫・・・今の憲法が施行された日でしょう。


私・・・何年何月?



孫・・・え、と。昭和二十二年五月三日かな。


私・・・そう。よく覚えていたね。憲法が公布されたの は、昭和二十一年十一月三日で、その翌年に施行され ることになったわけだ。



孫・・・憲法というと、すぐ自衛隊が問題になりますね。 この頃は社会党まで自衛隊は合憲だなどと言うように なったけれど、社会党が政権につくまでは、「自衛隊 は違憲だ」と言って、絶えず自民党政府に盾ついてい ましたね。


私・・・確かに今の憲法はその点が曖昧なのだよ。ほら、 こゝに第九条がある。読んでご覧。



孫・・・第九条。日本国民は、正義と秩序を基調とする 国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武 力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する 手段としては、永久にこれを放棄する。

前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、 これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


私・・・そう。戦力は保持しないとあるね。自衛隊が戦 力なのか、戦力でないのか、そこがいつも争点になる のさ。



孫・・・戦力であることは間違いないと思うな。ただ 「国際紛争を解決する手段として」と書いてあるけれ ど、他国が侵略して来た時の自衛戦争まで、国際紛争 を解決する手段の中に入るのかどうか、その点はよく 分らないな。


私・・・自衛権というものは、独立国家である以上、す べての国に認められていることさ。だから攻撃を受け れば、それと戦うことは当然のことだが、攻撃を受け ない前に、どの程度自衛の策を講ずるかということに なると、色々な意見があるわけだ。



孫・・・だから自衛隊をなくせなどという意見もあるわ けですね。


私・・・そういう曖昧さをなくすためにも、憲法第九条 だけは早急に改めて、自衛隊が合憲であることを明文 化したいというのが自民党の長い間の願いだったと思 うね。自主憲法の制定ということが、自民党立党以来 の党是だった。



孫・・・その党是を今度は引っ込めるようなことが新聞 に書いてあったけれど、本当ですか。


私・・・そのようだね。自民党も、社会党を取り込まな いと政権がとれないものだから、社会党にすり寄って るのさ。それに社会党が自衛隊合憲を言い出したので、 改憲か護憲かでゴタゴタするよりも、当分そっとして 置く方が得策だと思っているのではないかな。



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