現憲法可決の日
議員は皆声を出して泣いた





私・・・記録によると、十月五日に最後の貴族院本会議が開かれ、佐々木惣一郎博士が反対演説を行って後、可決されたが、可決された瞬間、場内は一瞬寂として声なく、暫くして、波のような嗚咽の声が議場を掩ったと言われている。

君たちが学校で習ったことと随分違うだろう。



孫・・・そうですね。詳しいことは忘れたけれど、新しい憲法が出来て、日本は初めて民主主義国になったと教えられたように思いますね。


私・・・こゝに社会党の委員長だった石橋さんの「非武装中立論」という本があるけれど、「その時、一億の国民は、日本の歴史始まって以来、初めて手にした<主権在民民主主義、絶対平和主義、基本的人権の尊重>という三大精神に貫かれた新憲法を歓喜して迎えたのです」と書いてあるよ。事実と全く反対のことを、よくも厚かましく書いたものだと感心するね。

そういう国際法違反の押しつけ憲法が、今迄続いていたことがそもそもおかしいのだよ。



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