古賀誠議員からのメッセージ久しく中断されていた靖国神社への首相の参拝が、昨年八月に続いて本年四月にもなされたことは、一人の遺族としてまことに喜ばしく思います。今後もこれが地道に継続され、首相の靖国参拝が定着することを衷心より願っています。 そのような状況の変化がある一方で、昨年十二月に福田官房長官の下に設置された「追悼・平和祈念のための記念碑等施設の在り方を考える懇談会」において、国立の戦歿者追悼施設の新設構想が検討されつつあります。 当初、私はこの「懇談会」の審議を慎重に見守る姿勢を堅持してきました。予断や先入観でことを早急に判断してはならないと自らを戒めてきたからです。しかし、数回重ねられた「懇談会」の議事内容を官邸のホームページで漸次読んでいくにつれ、深刻な危惧を抱くに至りました。 というのは、確かに「懇談会」では、表面上は新施設は靖国神社に代わる施設ではないことが強調されていますが、そこに現われた意見には戦歿者遺族の感情を無視し、靖国神社の存在意義を形骸化するものが少なくないからです。もしこのまま「懇談会」の審議が進められるならば、最終的には、遺族をはじめとする多くの国民が「戦歿者追悼の中心的施設」と考えている靖国神社の根底を揺るがす施設との懸念を抱かざるを得ません。 時あたかも同じような憂いをいだく人たちが集まってその趣旨の集会が開催されることを知り、他用のために出席できないことを残念に思いつつも、メッセージを託した次第です。 ご盛会を祝し、実りある大会であることを祈ります。 平成十四年六月十一日 衆議院議員 古賀 誠
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